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改正・ラオス労働法
〔日本語訳〕
LABOUR LAW
OF
LAO PEOPLE’S DEMOCRATIC REPUBLIC
ラオス労働・社会福祉省 編
目次
第1章
総則
第1条
目的
第2条
労働者および使用者の相互利益原則
第3条
大衆・社会組織の創設およびその所有に関する権利
第4条
強制労働の禁止
第5条
本法の適応範囲
第2章
労働管理規則
第6条
労働者の雇用
第7条
外国人労働者の雇用
第8条
労働者の質の向上
第9条
労働者の経済的・技術的・社会的保護
第10条
国家による労働者保護
第11条
労働組合および労働者代表の役割
第3章
雇用契約の成立とその終了
第12条
雇用契約
第13条
雇用契約の形式と期間
第14条
試用期間
第15条
雇用契約の終了
第16条
雇用による雇用契約の終了
第17条
雇用契約の終了に関する使用者権利の制限
第18条
解雇予告期間中における労働者の特別権利
第19条
労働者の責に帰すべき事由に基づく解雇
第20条
雇用契約の非合法的解雇
第21条
労働者の一時的異動
第22条
使用者による雇用契約終了の手続き
第23条
新しい使用者の責任
第24条
使用証明書の発行
第4章
労働時間・休憩・休日
第25条
労働時間
第26条
労働時間の算定
第27条
時間外労働
第28条
週休日および公休日
第29条
疾病による休業
第30条
年次休暇
第5章
就業規則
第31条
就業規則の内容
第32条
就業規則違反に対する警戒
第6章
女子・年少者の雇用
第33条
女子に対する就業制限
第34条
妊娠・育児期間における女子雇用の禁止
第35条
産前産後休暇
第36条
出産給付
第37条
18歳未満の年少者に対する雇用
第7章
賃金・給与
第38条
賃金・給与
第39条
同一価値動労同一賃金の権利
第40条
給与水準の決定
第41条
賃金・給与の支払方法
第42条
時間外労働の算定
第8章
賃金・給与の保証
第43条
賃金・給与支払期日
第44条
一時的業務停止時における賃金・給与の支払
第45条
賃金・給与の優先的支払
第46条
損害を補償するための賃金・給与からの控除
第9章
所得税および社会保障
第47条
所得税の源泉徴収
第48条
社会保障基金
第10章
労働者保護
第49条
安全の保護および労働条件
第50条
労働者に対する医療検診および健康管理
第11章
業務上の傷害
第51条
業務上の傷害
第52条
業務上の傷害を受けた者に対する支援
第53条
業務上の傷害に対する補償
第12章
年金・補償制度
第54条
退職年金
第13章
労働争議調整
第55条
労働争議の態様
第56条
権利に関する労働争議の調整
第57条
権利に関する労働争議の調整に対する労働監督機関の責任
第58条
利害に関する労働争議の調整
第59条
争議中就業停止の禁止
第14章
罰則
第60条
罰則
第15章
終則
第61条
労働者の改正
第62条
労働法の履行
ラオス人民民主共和国
平和・独立・民主主義・統一・繁栄
改正・ラオス労働法
本法(No.002/NA)は、1994年3月14日に国民議会によって採択され、同年4月21日に大統領令第24号(No.24/PR)により発布される。
【第1章】総則
第1章 目的
本法の目的は、雇用関係を規定し、国家の社会・経済的発展を確かなものとするために労働者の能力を最大限に活用し、社会の効率性と生産性を高め、労働者の生活水準を向上せしめることにある。
第2条 労働者および雇用者の相互利益原則
政府は、人種、皮膚色、性別、宗教、政治的意見、社会的地位により差別することなく、使用者と労働者がその良好な関係から相互利益を導き出すことを保証する。労働者は、すべての労働規則を尊び、従い、守らなければ成らない。使用者は、労働者に対し、正当な賃金、安全な労働環境、社会的保護を提供しなければならない。本法において、労働者とは、労働法、労働規則、雇用契約によって規定される賃金・給与および種々の恩典と交換に、使用者の監督のもとで勤労する者を意味する。使用者とは、労働者を雇用する個人もしくは法人を意味し、労働法、労働規則、雇用契約によって規定される賃金・給与および種々の手当を支払わなければならない。
第3条 大衆・社会組織の創設およびその所有に関する権利
労働者および使用者は、合法的なかたちで大衆・社会組織を創設し、所有する権利を有する。
そのような大衆・社会組織は、自らの規則を定め、代表者を選出し、管理運営するとともに独立した活動を行う権利を有する。またそれからはラオス国内の労働連合や同盟に属する権利を有する。
これらの組織の設立、機能、活動に関する諸手続きは、規則により決められる。
第4条 強制労働の禁止
使用者は労働者に労働を強制してはならない。「強制労働」とは、雇用契約に合致せず、自発的意志の欠如のもとで労働者に科された労働を意味する。以下の場合、「強制労働」とはみなさない。
(1)法律もしくは規則で定められた国防の目的に提供された労働の使用。
(2)火災、戦争、自然災害、伝染病といった緊急事態における労働の使用。
(3)裁判所の判決に従って行われる懲役。ただしこれは政府職員の監督したのもとで実施
される。囚人は、個人的な使用者や法人等の個人的利益のために雇用されてはなら
ない。
(4)地方自治体やあるいは労働者が会員となっている組織・協会によって採択された決議に
従った労働。そのような労働は、国家の共通の利益を追求する上ですべての国民の義務
とするところである。個人であろうとも事業所の法人であろうとも、労働者を直接的に
も間接的にも自分たちのためや、あるいは特定の集団のために強制労働させてはならな
い。
第5条 本法の適応範囲
本法は、ラオス人民主共和国における社会・経済部門で諸活動を行うすべての労働者および使用者に適用される。以後「事務所」(Labour
units)として言及される。
本法は、政府行政部門および技術的サーヴィス部門、国防並びに治安維持部門において雇用される公務員には適用されない。
【第2章】労働管理規則
第6条 労働者の雇用
使用者は、事務所の必要に応じて労働者を雇用する権利を有するが、ラオス人を優先的に雇用しなければならない。雇用契約は使用者と労働者の間において対等の立場で国家の諸規則に違反することなく、文書にて結ばれなければならない。
第7条 外国人労働者の雇用
社会・経済部門における事務所は、ラオス自民民主共和国のなかで、適任な労働者を入手できない場合、その必要に応じ外国人労働者を雇用できる。外国人の雇用は、人数ならびに期間においても制限される。外国人との雇用契約が完了する前に、外国人労働者がラオス人労働者に代替できるよう、詳細な技術移転の実施計画が策定されなければならない。
期間の長短を問わず、外国人労働者の導入は、ラオス人民民主共和国への入国以前に労働監督機関によって認可を受け泣ければならない。ただし外国や国際機関による援助のための外国人労働者の入国はその限りではない。
政府は、ラオス人労働者に留保すべき必要があると考えられる活動については外国人の従事を認可しない。これらの活動一覧を、別途規則によって定める。
第8条 労働者の質の向上
すべての使用者は、労働者が専門知識と経験に通じた熟練労働者となれるよう、その監督・指導のもとで労働者に研修を施さなければならない。
社会・経済的部門におけるすべての事務所は、ラオス人労働者がラオス人民民主共和国の内外において短・中・長期の研修もしくは専門知識の向上を図るべく再研修を受けることが出来るような計画を策定し、年間予算を用意しなければならない。
第9条 労働者の経済的・技術的・社会的保護
使用者は、その管理下にあるあらゆる職場において、労働者のために経済的および技術的、社会的な保護を与える責任を有する。
使用者は、その責務を遂行すべく、権限を代理者に委任することができる。
職場における労働者に対する保護のあり方は、事務所内の就業規則のなかに規定される。
第10条 国家による労働者保護
労働者監督機関は、以下の義務を負う。
(1)労働力の保護ならびに労働力の正しい使用についての調査および監督。
(2)労働者に対する保護と雇用に関する規則の発行。
(3)そのような規則の適用に関する指針の発行と規則の適用状況の監督。
(4)職業訓練および技術指導の提供。
(5)雇用状況の調査ならびに雇用先の探索。
労働監督機関の組織および活動内容は、規則によって定めるところとする。
使用者は、労働監督機関によって発布された労働者保護規則、とくに雇用募集、労働者登録、労働統計等に関する規則を遵守するように求められる。
第11条 労働組合および労働者代表の役割
労働組合が当該部門におけるそれぞれの規則に従って事務所内に結成されるべきである。労働組合が存在しない場合は、労働者の代表がこれに代わる。
労働組合もしくは労働者代表は、事務所内において以下の責任を有する。すなわち、(1)労働者の連帯、研修、労働規律の向上、(2)事務所内で策定された生産計画に従った労働実績、(3)使用者との雇用契約および労働規則に合致したかたちでの苦情の申し入れ、(4)老荘争議の調停への参加、(5)規則によって定められている給与、労働時間、休憩、労働条件、社会保障制度に関する問題について使用者との協議。
使用者は、労働組合および労働者代表に対し、活動遂行が可能となるよう就業時間内に、毎月少なくとも1時間、施設と建物を提供しなければならない。
【第3条】雇用契約の成立とその終了
第12条 雇用契約
雇用契約とは、労働者と使用者もしくはその代理との間に結ばれた契約である。雇用契約は文書で結ばれなければ成らない。すべての使用者は雇用契約を尊はなければならない。労働者はその専門と経験を通じて、雇用契約に規定されている労働者としての義務を完全に遂行するように求められる。使用者は労働者に対し、雇用契約に規定された業務と任務を提供しなければならない。使用者は、両者によって合意された雇用契約に従い、賃金・給与ならびに正当な給付金を支給しなければならない。
雇用契約のなかには、職場および業務内容、使用者により提供される報酬の水準やその他の恩典について言及されなければならない。雇用契約の締結とは、労働者を雇用するという一つの合意の形成を意味する。
第13条 雇用契約の形式と期間
雇用契約は、文書にて締結されなければならない。しかしながら、一時的な業務や日雇い仕事、仕事量の少ない業務のように雇用条件、業務内容によっては、雇用契約は口頭で行うことができる。
雇用契約は、期限付きでも無期限でも締結することができる。期限付き雇用契約の期限は、使用者と労働者本人との合意に基づいて決められなければ成らない。
第14条 試用期間
使用者は、労働者の業務遂行能力の有無を確認するために、試しの期間として労働者を雇用する権利を有する。
試用期間の長さは、業務の性質に従い、以下のように定められる。
(1)
肉体労働のように、経験も専門技術も必要としない労働については30日を超えてはならない。
(2)
専門技術職については60日を超えてはならない。
労働者が、試用期間中に疾病のために、あるいあ他のやむを得ない理由のために欠勤する場合、その期間を試用期間のなかに含めてはならない。労働者が必要な技術を欠く場合、試用期間を延長したり、採用を見合わせてもよい。しかし、試用期間の延長は30日を超えてはならない。
両当事者が、試用期間中のいかなる時点においても試用期間の終了を決める権利を有するが、非熟練労働者について少なくとも3日前、熟練労働者については5日前に相手方に予告しなければならない。そのような場合、労働者は、規則に従い試用期間開始日より終了日までの賃金・給与ならびに他の給付金を受け取る権利を有する。
使用者は試用期間の終了7日前に、正規雇用の是非を文書で通知しなければならない。使用期間中の労働者については、正規の賃金・給与の少なくとも90パーセントが支払われなければならない。
第15条 雇用契約の終了
期限付きであれ無期限のものであれ締結された雇用契約は、両当事者の合意の上で終了させることができる。
一方の当事者により無期限の雇用契約を終了させる場合、専門技術については少なくとも45日前、肉体労働については15日前に相手方へ予告しなければならない。
期限付き雇用契約をもつ当事者にあっては、契約満了の少なくとも15日前に、意思の確認を通知し合わなければ成らない。雇用契約の継続を希望する場合、両当事者は新雇用契約を締結しなければならない。
量を決められた業務に対して締結された雇用契約は、業務の完了をもって終了とする。
雇用契約は、労働者の死亡をもって終了する。
第16条 雇用による雇用契約の終了
労働者が必要とされる専門技術的能力を有していなかったり、健康な状態になく、従って労働を継続できない場合や、使用者が操業環境を改善するために労働者数を減少させる必要があると考えた場合、使用者は雇用によって雇用契約を終了させることができる。
使用者が必要とされる専門技術能力を有していなかったり、健康な状態にない場合、使用者は労働者に労働を中止するように命令できる。また雇用契約を終了させることができる。その場合、契約終了の理由を説明し、少なくとも45日前に予告しなければならない。予告期間中において、使用者は労働者に対し、1週間当たり1労働日を職探したのための有給休暇として与えなければならない。
しかしながら雇用契約を終了する前に、使用者は当該労働者の能力や健康に応じて適切な配置転換を検討しなければならない。適切な仕事がない場合のみ、雇用契約を終了できる。
事務所が、操業環境を改善するために労働者数を減少させる必要があると考えた場合、使用者は労働組合もしくは労働者代表との協議において影響を受ける労働者のリストを作成し、労働監督機関へ通知しなくてはならない。同時に使用者は少なくとも45日前に解雇予告とその説明を与えなければならない。
上記のいずれかの理由により雇用契約を終了する場合、使用者は労働者に使用期間に応じた補償を与えなければならない。
補償の額は、雇用月数分に対し月給の10パーセント相当とし、解雇時に支払われなけんればならない。3年以上勤務した労働者に対しては、同月給の15パーセント相当とする。
給与が固定されていない出来高賃金制度に基づいて支払われている労働者については、補償額は、雇用契約終了前3か月間に受け取った賃金・給与の平均を基準にして算定される。
第17条 雇用契約の終了に関する使用者権利の制限
使用者は、上記労働者が下記の事項に該当する場合、雇用契約の終了や業務の中断を強制することは出来ない。
(1)
医師の助言により、病気加療中もしくはリハビリティション中の者、天災による家屋倒壊被害者
(2)
妊娠中の女子もしくは過去9か月以内に子供を出産した女子。
(3)
年次休暇もしくは使用者によって認められた休暇中の者
(4)
使用者の要請により別の職場での勤務を命じられている者。
(5)
使用者に対する原告もしくは告訴人、就業規則のもとで政府職員と協力した仕事を受け持っている者、あるいは労働争議に参加中の者。
(6)
使用者の同意のもとでかつ勤務時間以外に、労働組合や労働者代表、社会的組織活動を行う労働者。
(7)
労働者組合や労働者代表の選挙に出馬する候補者。
ただし、本法第19条に述べられているように何らかの過ちを犯した労働者には適用されない。
第18条 解雇予告期間中における労働者の特別権利
解雇通知を受けた労働者が業務上の傷害や疾病のため職務に復帰できない場合、そのような傷害や疾病の加療に要する期間は解雇予告期間のなかに含めてはならない。予告期間中といえども、労働者は通知以前と同額の賃金・給与を受ける。
第19条 労働者の責に帰すべき事由に基づく解雇
使用者は、以下該当する労働者に対し、補償金を支払うことなく雇用契約を終了する権利を有するが、少なくても3日前に通知しなければならない。
(1)
不誠実な行動をとったり、使用者の財産に故意に多大な損害を与えしめた場合。
ただし、そのような違法行為に対し然るべき証拠が必要である。
(2)
使用者からの再三の警告にも関わらず就業規則に違反した者。
(3)
正当な理由なしに連続4日間以上欠勤した者。
(4)
裁判所の判決により禁固刑に処せられた者。
第20条 雇用契約の非合法的解雇
使用者は以下に該当する労働者の解雇に対し補償金を支払わなければならない。
(1)使用者が、正当な理由なく雇用契約を終了させたり、直接・間接に雇用契約の終了を強制
しようとする場合。
(2)使用者が労働者から再三の養親にもかかわらず、雇用契約に規定された責務に違反する場
合。
労働者は、使用者に対し、そのような補償金を加え、不公正な解雇に従う損害やその歳に生じた正当な逸失利益に対し、それを請求する権利を有する。
雇用契約が非合法的に終了した労働者はまた、以前の職務への復帰や他の適切な業務への就業につき、これを要請する権利を有する。
雇用契約が上記の環境下で終了した労働者に対する補償金は、在勤月数分に対し月給の15パーセント相当とし、解雇時に支払われる。3年以上勤務した労働者に対しては、同月給の20パーセント相当とする。
第21条 労働者の一時的異動
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