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労働法

改正・ラオス労働法

〔日本語訳〕

LABOUR LAW

OF

LAO PEOPLE’S DEMOCRATIC REPUBLIC

 

 

ラオス労働・社会福祉省 編


 

目次

 

第1章              総則

第1条              目的

第2条              労働者および使用者の相互利益原則

第3条              大衆・社会組織の創設およびその所有に関する権利

第4条              強制労働の禁止

第5条              本法の適応範囲

 

第2章              労働管理規則

第6条              労働者の雇用

第7条              外国人労働者の雇用

第8条              労働者の質の向上

第9条              労働者の経済的・技術的・社会的保護

第10条          国家による労働者保護

第11条          労働組合および労働者代表の役割

 

第3章              雇用契約の成立とその終了

第12条          雇用契約

第13条          雇用契約の形式と期間

第14条          試用期間

第15条          雇用契約の終了

第16条          雇用による雇用契約の終了

第17条          雇用契約の終了に関する使用者権利の制限

第18条          解雇予告期間中における労働者の特別権利

第19条          労働者の責に帰すべき事由に基づく解雇

第20条          雇用契約の非合法的解雇

第21条          労働者の一時的異動

第22条          使用者による雇用契約終了の手続き

第23条          新しい使用者の責任

第24条          使用証明書の発行

 

第4章              労働時間・休憩・休日

第25条          労働時間

第26条          労働時間の算定

第27条          時間外労働

第28条          週休日および公休日

第29条          疾病による休業

第30条          年次休暇

 

第5章              就業規則

第31条          就業規則の内容

第32条          就業規則違反に対する警戒

 

第6章              女子・年少者の雇用

第33条          女子に対する就業制限

第34条          妊娠・育児期間における女子雇用の禁止

第35条          産前産後休暇

第36条          出産給付

第37条          18歳未満の年少者に対する雇用

 

第7章              賃金・給与

第38条          賃金・給与

第39条          同一価値動労同一賃金の権利

第40条          給与水準の決定

第41条          賃金・給与の支払方法

第42条          時間外労働の算定

 

第8章              賃金・給与の保証

第43条          賃金・給与支払期日

第44条          一時的業務停止時における賃金・給与の支払

第45条          賃金・給与の優先的支払

第46条          損害を補償するための賃金・給与からの控除

 

第9章              所得税および社会保障

第47条          所得税の源泉徴収

第48条          社会保障基金

  

第10章          労働者保護

第49条          安全の保護および労働条件

第50条          労働者に対する医療検診および健康管理

 

第11章          業務上の傷害

第51条          業務上の傷害

第52条          業務上の傷害を受けた者に対する支援

第53条          業務上の傷害に対する補償

 

第12章          年金・補償制度

第54条          退職年金

 

第13章          労働争議調整

第55条          労働争議の態様

第56条          権利に関する労働争議の調整

第57条          権利に関する労働争議の調整に対する労働監督機関の責任

第58条          利害に関する労働争議の調整

第59条          争議中就業停止の禁止

 

第14章          罰則

第60条          罰則

 

第15章          終則

第61条          労働者の改正

第62条          労働法の履行

 

 

 

ラオス人民民主共和国

平和・独立・民主主義・統一・繁栄

 

改正・ラオス労働法

 

本法(No.002NA)は、1994314日に国民議会によって採択され、同年421日に大統領令第24号(No.24PR)により発布される。

 

【第1章】総則

 

1章 目的

 本法の目的は、雇用関係を規定し、国家の社会・経済的発展を確かなものとするために労働者の能力を最大限に活用し、社会の効率性と生産性を高め、労働者の生活水準を向上せしめることにある。

 

第2条 労働者および雇用者の相互利益原則

 政府は、人種、皮膚色、性別、宗教、政治的意見、社会的地位により差別することなく、使用者と労働者がその良好な関係から相互利益を導き出すことを保証する。労働者は、すべての労働規則を尊び、従い、守らなければ成らない。使用者は、労働者に対し、正当な賃金、安全な労働環境、社会的保護を提供しなければならない。本法において、労働者とは、労働法、労働規則、雇用契約によって規定される賃金・給与および種々の恩典と交換に、使用者の監督のもとで勤労する者を意味する。使用者とは、労働者を雇用する個人もしくは法人を意味し、労働法、労働規則、雇用契約によって規定される賃金・給与および種々の手当を支払わなければならない。

 

第3条 大衆・社会組織の創設およびその所有に関する権利

 労働者および使用者は、合法的なかたちで大衆・社会組織を創設し、所有する権利を有する。

 そのような大衆・社会組織は、自らの規則を定め、代表者を選出し、管理運営するとともに独立した活動を行う権利を有する。またそれからはラオス国内の労働連合や同盟に属する権利を有する。

 これらの組織の設立、機能、活動に関する諸手続きは、規則により決められる。

 

第4条 強制労働の禁止

 使用者は労働者に労働を強制してはならない。「強制労働」とは、雇用契約に合致せず、自発的意志の欠如のもとで労働者に科された労働を意味する。以下の場合、「強制労働」とはみなさない。

 (1)法律もしくは規則で定められた国防の目的に提供された労働の使用。

 (2)火災、戦争、自然災害、伝染病といった緊急事態における労働の使用。

 (3)裁判所の判決に従って行われる懲役。ただしこれは政府職員の監督したのもとで実施

    される。囚人は、個人的な使用者や法人等の個人的利益のために雇用されてはなら

    ない。

 (4)地方自治体やあるいは労働者が会員となっている組織・協会によって採択された決議に

    従った労働。そのような労働は、国家の共通の利益を追求する上ですべての国民の義務

    とするところである。個人であろうとも事業所の法人であろうとも、労働者を直接的に

    も間接的にも自分たちのためや、あるいは特定の集団のために強制労働させてはならな

    い。

 

第5条 本法の適応範囲

 本法は、ラオス人民主共和国における社会・経済部門で諸活動を行うすべての労働者および使用者に適用される。以後「事務所」(Labour units)として言及される。

 本法は、政府行政部門および技術的サーヴィス部門、国防並びに治安維持部門において雇用される公務員には適用されない。

 

【第2章】労働管理規則

第6条 労働者の雇用

 使用者は、事務所の必要に応じて労働者を雇用する権利を有するが、ラオス人を優先的に雇用しなければならない。雇用契約は使用者と労働者の間において対等の立場で国家の諸規則に違反することなく、文書にて結ばれなければならない。

 

第7条 外国人労働者の雇用

 社会・経済部門における事務所は、ラオス自民民主共和国のなかで、適任な労働者を入手できない場合、その必要に応じ外国人労働者を雇用できる。外国人の雇用は、人数ならびに期間においても制限される。外国人との雇用契約が完了する前に、外国人労働者がラオス人労働者に代替できるよう、詳細な技術移転の実施計画が策定されなければならない。

 期間の長短を問わず、外国人労働者の導入は、ラオス人民民主共和国への入国以前に労働監督機関によって認可を受け泣ければならない。ただし外国や国際機関による援助のための外国人労働者の入国はその限りではない。

 政府は、ラオス人労働者に留保すべき必要があると考えられる活動については外国人の従事を認可しない。これらの活動一覧を、別途規則によって定める。

 

第8条 労働者の質の向上

 すべての使用者は、労働者が専門知識と経験に通じた熟練労働者となれるよう、その監督・指導のもとで労働者に研修を施さなければならない。

 社会・経済的部門におけるすべての事務所は、ラオス人労働者がラオス人民民主共和国の内外において短・中・長期の研修もしくは専門知識の向上を図るべく(注1)再研修を受けることが出来るような計画を策定し、年間予算を用意しなければならない。

 

第9条 労働者の経済的・技術的・社会的保護

 使用者は、その管理下にあるあらゆる職場において、労働者のために経済的および技術的、社会的な保護を与える責任を有する。

 使用者は、その責務を遂行すべく、権限を代理者に委任することができる。

 職場における労働者に対する保護のあり方は、事務所内の就業規則のなかに規定される。

 

第10条 国家による労働者保護

 労働者監督機関は、以下の義務を負う。

 (1)労働力の保護ならびに労働力の正しい使用についての調査および監督。

 (2)労働者に対する保護と雇用に関する規則の発行。

 (3)そのような規則の適用に関する指針の発行と規則の適用状況の監督。

 (4)職業訓練および技術指導の提供。

 (5)雇用状況の調査ならびに雇用先の探索。

 

 労働監督機関の組織および活動内容は、規則によって定めるところとする。

 使用者は、労働監督機関によって発布された労働者保護規則、とくに雇用募集、労働者登録、労働統計等に関する規則を遵守するように求められる。

 

11条 労働組合および労働者代表の役割

 労働組合が当該部門におけるそれぞれの規則に従って事務所内に結成されるべきである。労働組合が存在しない場合は、労働者の代表がこれに代わる。

 労働組合もしくは労働者代表は、事務所内において以下の責任を有する。すなわち、(1)労働者の連帯、研修、労働規律の向上、(2)事務所内で策定された生産計画に従った労働実績、(3)使用者との雇用契約および労働規則に合致したかたちでの苦情の申し入れ、(4)老荘争議の調停への参加、(5)規則によって定められている給与、労働時間、休憩、労働条件、社会保障制度に関する問題について使用者との協議。

 使用者は、労働組合および労働者代表に対し、活動遂行が可能となるよう就業時間内に、毎月少なくとも1時間、施設と建物を提供しなければならない。

 

【第3条】雇用契約の成立とその終了

12条 雇用契約

 雇用契約とは、労働者と使用者もしくはその代理との間に結ばれた契約である。雇用契約は文書で結ばれなければ成らない。すべての使用者は雇用契約を尊はなければならない。労働者はその専門と経験を通じて、雇用契約に規定されている労働者としての義務を完全に遂行するように求められる。使用者は労働者に対し、雇用契約に規定された業務と任務を提供しなければならない。使用者は、両者によって合意された雇用契約に従い、賃金・給与ならびに正当な給付金を支給しなければならない。

 雇用契約のなかには、職場および業務内容、使用者により提供される報酬の水準やその他の恩典について言及されなければならない。雇用契約の締結とは、労働者を雇用するという一つの合意の形成を意味する。

 

13条 雇用契約の形式と期間

 雇用契約は、文書にて締結されなければならない。しかしながら、一時的な業務や日雇い仕事、仕事量の少ない業務のように雇用条件、業務内容によっては、雇用契約は口頭で行うことができる。

 雇用契約は、期限付きでも無期限でも締結することができる。期限付き雇用契約の期限は、使用者と労働者本人との合意に基づいて決められなければ成らない。

 

14条 試用期間

 使用者は、労働者の業務遂行能力の有無を確認するために、試しの期間として労働者を雇用する権利を有する。

 試用期間の長さは、業務の性質に従い、以下のように定められる。

(1)   肉体労働のように、経験も専門技術も必要としない労働については30日を超えてはならない。

(2)   専門技術職については60日を超えてはならない。

 

 労働者が、試用期間中に疾病のために、あるいあ他のやむを得ない理由のために欠勤する場合、その期間を試用期間のなかに含めてはならない。労働者が必要な技術を欠く場合、試用期間を延長したり、採用を見合わせてもよい。しかし、試用期間の延長は30日を超えてはならない。

 両当事者が、試用期間中のいかなる時点においても試用期間の終了を決める権利を有するが、非熟練労働者について少なくとも3日前、熟練労働者については5日前に相手方に予告しなければならない。そのような場合、労働者は、規則に従い試用期間開始日より終了日までの賃金・給与ならびに他の給付金を受け取る権利を有する。

 使用者は試用期間の終了7日前に、正規雇用の是非を文書で通知しなければならない。使用期間中の労働者については、正規の賃金・給与の少なくとも90パーセントが支払われなければならない。

 

15条 雇用契約の終了

 期限付きであれ無期限のものであれ締結された雇用契約は、両当事者の合意の上で終了させることができる。

 一方の当事者により無期限の雇用契約を終了させる場合、専門技術については少なくとも45日前、肉体労働については15日前に相手方へ予告しなければならない。

 期限付き雇用契約をもつ当事者にあっては、契約満了の少なくとも15日前に、意思の確認を通知し合わなければ成らない。雇用契約の継続を希望する場合、両当事者は新雇用契約を締結しなければならない。

 量を決められた(注 2)業務に対して締結された雇用契約は、業務の完了をもって終了とする。

 雇用契約は、労働者の死亡をもって終了する。

 

16条 雇用による雇用契約の終了

 労働者が必要とされる専門技術的能力を有していなかったり、健康な状態になく、従って労働を継続できない場合や、使用者が操業環境を改善するために労働者数を減少させる必要があると考えた場合、使用者は雇用によって雇用契約を終了させることができる。

 使用者が必要とされる専門技術能力を有していなかったり、健康な状態にない場合、使用者は労働者に労働を中止するように命令できる。また雇用契約を終了させることができる。その場合、契約終了の理由を説明し、少なくとも45日前に予告しなければならない。予告期間中において、使用者は労働者に対し、1週間当たり1労働日を職探したのための有給休暇として与えなければならない。

 しかしながら雇用契約を終了する前に、使用者は当該労働者の能力や健康に応じて適切な配置転換を検討しなければならない。適切な仕事がない場合のみ、雇用契約を終了できる。

 事務所が、操業環境を改善するために労働者数を減少させる必要があると考えた場合、使用者は労働組合もしくは労働者代表との協議において影響を受ける労働者のリストを作成し、労働監督機関へ通知しなくてはならない。同時に使用者は少なくとも45日前に解雇予告とその説明を与えなければならない。

 上記のいずれかの理由により雇用契約を終了する場合、使用者は労働者に使用期間に応じた補償を与えなければならない。

 補償の額は、雇用月数分に対し月給の10パーセント相当とし、解雇時に支払われなけんればならない。3年以上勤務した労働者に対しては、同月給の15パーセント相当とする。

 給与が固定されていない出来高賃金制度に基づいて支払われている労働者については、補償額は、雇用契約終了前3か月間に受け取った賃金・給与の平均を基準にして算定される。

 

第17条 雇用契約の終了に関する使用者権利の制限

 使用者は、上記労働者が下記の事項に該当する場合、雇用契約の終了や業務の中断を強制することは出来ない。

(1)   医師の助言により、病気加療中もしくはリハビリティション中の者、天災による家屋倒壊被害者

(2)   妊娠中の女子もしくは過去9か月以内に子供を出産した女子。

(3)   年次休暇もしくは使用者によって認められた休暇中の者

(4)   使用者の要請により別の職場での勤務を命じられている者。

(5)   使用者に対する原告もしくは告訴人、就業規則のもとで政府職員と協力した仕事を受け持っている者、あるいは労働争議に参加中の者。

(6)   使用者の同意のもとでかつ勤務時間以外に、労働組合や労働者代表、社会的組織活動を行う労働者。

(7)   労働者組合や労働者代表の選挙に出馬する候補者。

 

ただし、本法第19条に述べられているように何らかの過ちを犯した労働者には適用されない。

 

第18条 解雇予告期間中における労働者の特別権利

 解雇通知を受けた労働者が業務上の傷害や疾病のため職務に復帰できない場合、そのような傷害や疾病の加療に要する期間は解雇予告期間のなかに含めてはならない。予告期間中といえども、労働者は通知以前と同額の賃金・給与を受ける。

 

第19条 労働者の責に帰すべき事由に基づく解雇

 使用者は、以下該当する労働者に対し、補償金を支払うことなく雇用契約を終了する権利を有するが、少なくても3日前に通知しなければならない。

(1)   不誠実な行動をとったり、使用者の財産に故意に多大な損害を与えしめた場合。

ただし、そのような違法行為に対し然るべき証拠が必要である。

(2)   使用者からの再三の警告にも関わらず就業規則に違反した者。

(3)   正当な理由なしに連続4日間以上欠勤した者。

(4)   裁判所の判決により禁固刑に処せられた者。

 

第20条 雇用契約の非合法的解雇

 使用者は以下に該当する労働者の解雇に対し補償金を支払わなければならない。

(1)使用者が、正当な理由なく雇用契約を終了させたり、直接・間接に雇用契約の終了を強制

   しようとする場合。

(2)使用者が労働者から再三の養親にもかかわらず、雇用契約に規定された責務に違反する場

   合。

  労働者は、使用者に対し、そのような補償金を加え、不公正な解雇に従う損害やその歳に生じた正当な逸失利益に対し、それを請求する権利を有する。

 雇用契約が非合法的に終了した労働者はまた、以前の職務への復帰や他の適切な業務への就業につき、これを要請する権利を有する。

 雇用契約が上記の環境下で終了した労働者に対する補償金は、在勤月数分に対し月給の15パーセント相当とし、解雇時に支払われる。3年以上勤務した労働者に対しては、同月給の20パーセント相当とする。

 

21条 労働者の一時的異動

 使用者は、3か月を超えない期間であれば、同一事務所内の他の業務へ労働者を異動させることができる。ただし、そのような異動は、(1)事業所活動の一時的中断の結果、(2)懲戒上の理由、(3)事務所活動に及ぼしうる損害の回避手段、(4)自然災害に対する保護手段として行われる場合に限られる。異動期間が3か月を超える場合、当事者間で雇用契約の継続について再考されなければならない。

 一時的な異動期間において、労働者がより高い職階に任ぜられたり、要求された水準に見合う業務を遂行できる場合、その業務に対応する賃金・給与が支払われなければならない。新しい業務に支払われる賃金・給与がこれまで支給され、これが継続されなければならない。異動前の業務に復帰した場合、労働者は異動前の賃金・給与体系に戻り、これに基づき支給される。

 懲戒上の理由による異動については、労働者は、新しい業務に対応する賃金・給与体系がたとえ低水準にあろうとも、これを甘受しなければならない。

 労働者を他の業務へ異動させる場合、それがどのような理由や背景があるにせよ、新業務の性質は従来の業務とは異なってはならず、同様の内容とすべきである。

 

22条 使用者による雇用契約終了の手続き

 使用者、労働者の違法行為に対し事前に警告を与える一方で、そのような違法行為が止まらない場合、雇用契約を終了させる権利を有する。しかしながら、使用者は、少なくとも雇用契約の終了5日前にその活動を管轄労働監督機関に通知しなければならない。

 使用者が、労働監督機関の意見も聞かずに、また当該の労働組合や労働者代表に通知を怠るかたちでの雇用契約の一方的な終了や労働者の解雇は、禁止される。

 通知日より15日以内に上記の機関から回答が得られない場合、雇用契約の終了は了承されたものとみなされる。

 そのような場合、使用者は、理由を明記した上で雇用契約の終了を当該労働者に文書にて通知しなければならない。使用者は労働者が契約終了までに勤務した給与とその他のすべての給付金を、法律と規則に従って支払わなければならない。

 

23条 新しい使用者の責任

 労働者が、契約違反による雇用契約を終了し、新しい就業を申し込む場合、新使用者は、以下の項目に該当する場合、旧使用者の側に結果的に発生する損害に対し、その責任を負わなければならない。

(1)   新使用者が当該労働者の雇用契約の終了に関与しているという証拠が存在する場合。

(2)   労働者が他の使用者と雇用契約を締結しているということを知りながら、新使用者が、その労働者を雇用した場合。

 

ただし、新使用者が他の使用者との雇用契約に違反して労働者を雇用したとしても、旧使用者との雇用契約が満了の直前であれば、新使用者は責任を負う必要はない。

 

24条 使用証明書の発行

 使用者は、退職する労働者に対し、退職の日から7日以内に使用証明書を発行する。この使用証明書には、労働者の入社日および退職日、ならびに退職する前の地位が記載がなされる。

 

【第4章】労働時間・休憩・休日

第25条 労働時間

 労働者の労働時間は、賃金・給与の支払形態の如何を問わず、週6日とし、1日8時間、週48時間を超えてはならない。

 以下の業務に就労する労働者の労働時間は、1日6時間、週36時間を超えてはならない。

(1)   放射線に直接曝されたり、伝染病に携わる業務

(2)   健康に害を及ぼすガスや煙を直接吸引する業務

(3)   爆発物のような危険な化学品を取り扱う業務。

(4)   坑口や地下トンネル、水中、高所における業務。

(5)   著しく暑熱な場所や寒冷な場所における業務

(6)   振動性機械を常時直接使用する業務。

 

第26条 労働時間の算定

 以下の事項は労働時間として算定される。

(1)   始業時刻前および就業時刻後の技術的準備時間。

(2)   時間制や交代制の職場における1時間当たり15分を超えない休息。

(3)   交代制における1交代当たり45分間の食事休憩。

 

 使用者は、2時間の労働に対し少なくとも510分の休憩を与えるよう適切な生産計画を策定しなければならない。技術的もしくは機械的理由による必要性が生じた場合、交代制の仕事は、労働者が適切に休憩がとれるよう配慮されなければならない。

 

27条 時間外労働

 使用者は、労働組合、労働者代表および労働者本人からの事前の同意を得た上で、必要とあれば労働者に時間外労働を要請することができる。

 時間外労働は、職場に多大な損害をもたらす自然災害や不慮の事態といった予期せね状況を除いて、1か月当たり30時間を超えてはならない。時間外労働は1日当たり3時間を超えてはならない。毎日の継続的な時間外労働を禁止する。

 時間外労働が必要とされているところでは、使用者はまず労働組合か労働者代表と協議をもち、当該部署の労働者に通知し、時間外労働の必要性について説明を与えなければならない。本法第42条に規定されているように、時間外労働に対し正当な補償金が支給されなければならない。

 時間外労働が1か月当たり30時間を超える場合、使用者は労働監督機関から事前の承認を受けなければならない。なおその際、労働組合もしくは労働者代表より同意書を添付するものとする。

 

第28条 週休日および公休日

 労働者は週休として毎週1日全日を休養日とする権利を有する。休養日は、労働者と使用者との合意のもとで日曜日もしくはその他の曜日に設定される。公休日は、政府によって制定される。

 

第29条 疾病による休業

 医師の診断書を提出することにより、月給制の労働者は年30日を上限として全額有給で疾病による休業が認められる。この制度は時間給、日給、出来高払い、契約ベースを問わず、90日以上にわたって労働する労働者に対しても同様に適用される。

 休業時間が30日を超える場合、当該労働者は社会保障制度のもとで補償を受ける事ができる。

 本条項の規定は、業務上の傷病には適用されてない。業務上の傷病については、本法53条に規定される。

 

第30条 年次休暇

 無期限の雇用契約や1年を超える雇用契約のもとで働く労働者に対し、1年間の勤務の後、15日の年次休暇が賦与されなければならない。本法第25条に規定される過酷な労働や健康に害を及ぼす恐れのある業務に就いている労働者に対しては、18日の年次有給休暇が賦与されなければならない。

 週休日および公休日は、年次休暇に含まれない。

 

【第5章】就業規則

第31条 就業規則の内容

 労働者は就業規則を遵守しなければならない、就業規則は、法律と規則、事業所の内部就業規定、使用者と労働者により締結された雇用契約に則って規定されるところの労働者の権利と義務より構成される。

 事業所の内部就業規則が法的な努力を発するために、ラオス人民民主共和国の労働法および規則に準拠して制定され、労働監督機関によって事前承認を受けなければならない。

 事務所の内部就業規則は、すべての労働者に周知されるよう、掲示されなければならない。

 

第32条 就業規則違反に対する懲戒

 就業規則に違反する労働者に対する警告にも関わらず、前向きな改善がみられない労働者は、本法第19条および第21条の規定に従い、他の業務への一時的な異動や退職を強制される。労働者が故意に事業所の資産に損害を与えた場合、その損害に対し補償金を支払うよう命じられる。

 

【第6章】女子・年少者の雇用

第33条 女子に対する就業制限

 使用者は、規則に明記されているような健康に害のある重労働や、午後10時から翌日午前5時までの間、すべての工業部門における夜間勤務に対し、女子を就業させてはならない。また翌日の労働までに少なくとも11時間の休養を与えなければならない。

 

第34条 妊娠・育児期間における女子雇用の禁止

 使用者は、妊娠および産後6か月以内の産婦を、以下の労働に就かせてはならない。

(1)   重荷物の持ち上げおよび運搬業務。

(2)   長時間継続して立っている業務。

 

 そのような場合、使用者は女子を一時的に他の業務に就業させなくてはならない。一時的な業務に就いている当該労働者は、最高3か月間、通常の賃金・給与が支給される。

 使用者は、時間外労働、週休日出勤および夜間労働に、妊婦や12か月以下の子供をもつ女子を就業させてはならない。

 

第35条 産前産後休暇

 女子労働者は、産前産後の期間、満額有給のもと、少なくとも90日間の産前産後の休暇をとる資格を与えられる。だたしその賃金は、使用者から支給されるか、もしくは労働者自らが満額積み立てた社会保障金から拠出されるものである。

 そのような産前産後の休暇のなかには、少なくとも24日間の産後休暇が含まれなければならない。

 出産に起因する疾病のために欠勤する女子労働者は、通常50パーセントの賃金を受けながら、少なくとも30日間の追求休暇が認められる。なおこの際、医師の診断書が必要である。

 出産後12か月の間、女子労働者は託児所に子供を預けたり、職場に子供を連れてくる場合、1日1時間を授乳や子供の世話のための時間をとる権利を有する。

 流産の場合、休暇期間は医師の助言に基づいて決められる。

 

第36条           出産給与

 女子労働者は、出産の際、政府によって決められら最低賃金の少なくとも60パーセントに相当する給与を受ける権利を有する。ただしこの給与は、使用者から支給されるか、もしくは労働者自らが満額積み立てた社会保障資金から拠出されるものである。

 子供の数が双生児以上の場合、上述の給与金額は50パーセント増しとなる。流産の場合にも適用されるが、医師の診断書の提出が義務付けられる。

 

第37条           18歳未満の年少者に対する雇用

 使用者は、1518歳の年少者を雇用することができるが、16時間、週36時間を超えて働かせてはならない。

使用者は年少者に対し、以下のような重労働や健康を害する業務に就かせてはならない。

(1)   採鉱および採石業務。

(2)   化学品、暴発物、毒物に関わる業務

(3)   人間の死体処理業務

(4)   本法第25条に規定される業務

(5)   すべての業種における午後10時から翌日の午前5時までの労働、この時間は、翌日の始業前までの11時間の休養に含まれる。

 

すべての社会・経済部門における15歳未満の年少者の雇用を禁止する。

 

【第7章】賃金・給与

第38条           賃金・給与

賃金・給与とは、使用者が労働者に対して支払わなければならない補償で、それは、通貨によって支給されなければならない。賃金・給与は、月の始めから終わりに、あるいは業務の完了の前か終わりに支払わなければならない。

 

第39条           同一価値労働同一賃金の権利

 業務内容が質、量、価値の観点から同等であれば、性別、年齢、国籍、少数民族の区別なく、同一の賃金・給与が労働者に支払わなければならない。ただし、別個の雇用契約をもつ外国人労働者はその限りではない。

 

第40条           給与水準の決定

 使用者は、以下の事項を考慮に入れて労働者の棒給水準を決定する権利を有する。

(1)   労働者の物質的かつ精神的必要性。

(2)   生活費およびその季節的変動分。

(3)   労働者のための社会的福利厚生費および社会保障給付金。

(4)   様々な社会団体の技術の力水準との比較評価や他の部署における賃金・給与の支払水準との比較。

 

 賃金・給与制度は、画一的な体系をとる必要はないが、わかりやすい簡単なものであるべきである。

 労働者もしくは労働組合、労働者代表は、賃金・給与に関して使用者と交渉をもつ権利を有する。

 政府もしくは当該機関は、各地域の最低賃金を定期的に設定する。使用者は政府によって定期的に決められた

水準を下回る最低賃金を設定してはならない。

 各事務所によって定期的に決定された最低賃金・給与体系は、政府の検査・監督下におこなわれる。

 

第41条 賃金・給与の支払方法

 政府や当該機関が最低賃金水準を設定するところでは、勤務した時間数、日数、月数もしくは一括払いで賃金・給与が支払われなければならない。給与や償与を含む給与や報酬の支払は、賃金台帳に記録し、労働者の署名を受けなければならない。

 労働者は、雇用契約が遵守されているか否か確認の必要がある場合、賃金・給与計算の明細を使用者に尋ねる権利を有する。

 政府や当該機関により最低賃金が設定されていない特殊地域における労働や、使用者の承諾もとで自宅等、職場以外における補足的な労働に対する賃金は、生産性に準拠したかたち、あるいは一括払いによる方法で支給される。

 賃金・給与は、確定日に遅滞することなく全額現金で直接労働者に支払わなければならない。政府規定もしくは労働者と使用者の特殊な合意によって規定されている場合はこの限りではない。使用者は労働者のやる気を引き起こすために、賃金・給与に加えて、補与、諸手当、その他の恩典を賦与してもよい。

 麻薬、薬品、あるいは健康に害するような物質が、賃金・給与や他の給与の代わりに支払われることを禁止する。

 

42条 時間外労働の算定

 使用者は、労働者に対し、労働者本人や労働者組合もしくは労働者代表との合意に基づき、時間外労働、週休日出勤や公休日出勤を要請する場合、以下のように時間外労働賃金を支払わなければならない。

(1)   通常の勤務日の昼間における時間外労働は、通常の時間給の150パーセントの割増賃金とする。

(2)   通常の勤務日の昼間における時間外労働は、通常の時間給の200パーセントの割増賃金とする。

(3)   週休日および公休日の昼間における時間外労働は、通常の時間給の250パーセント、夜間におけるそれを300パーセントの割増賃金とする。

 

 午後10時より翌日の午前5時までの夜間交代制で勤務する労働者は、通常時間賃金の少なくとも15パーセントの割増賃金とする。

 

【第8章】 賃金・給与の保証

43条 賃金・給与支払期日

 賃金・給与は少なくとも毎月一度確定日に支払われる。賞与ならびに給付金についてはこの限りではない。

 出来高払いや時間給労働については、賃金・給与は少なくとも毎月2度もしくは16日を越えない期日に支払われる。

 労働者が、出産、疾病、事故といった諸困難や緊急事態に直面し、賃金・給与の前借りを要請する場合、使用者は必要に応じて給与日以前の支払いを考慮すべきである。

 賃金の支払は、勤労日に、職場もしくは職場に近いところで労働者に支払われなければならない。

 

44条 一時的業務停止時における賃金・給与の支払

 事業所が、使用者の過誤により生産や営業活動の延期や中止の命令を受けた場合、使用者はこの一時的な中断期間中においても、規定されている最低賃金の50パーセントを下回らない補償金を労働者の支払わなければならない。

 生産・営業活動が通常水準に回復した場合、賃金・給与体系は以前の水準に回復されなければならない。

 

45条 賃金・給与の優先的支払

 事業所が閉鎖もしくは破産した場合や、裁判所により財産の没収を命じられた場合、労働者は、賞与および給付金を含む賃金・給与を優先的の受け取る権利を有する。なお残余の資産を負債に充当するものとする。

 

46条 損害を補償するための賃金・給与からの控除

 労働者の賃金・給与からの控除をもって、事業所の財産を生じた損害を保証する場合、実際の損失額に応じて行われなければならない。

 労働者が損害を補償するために賃金・給与以外の財産を保有しない場合、賃金・給与から控除が行われる。

 未払いの所得税や社会保障基金に対する拠出金ならびに他の負債の返済に充てられる控除総額は、あらゆる時点の賃金・給与の20パーセントを超えてはならない。

 

 

【第9章】所得税および社会保障

47条 所得税の源泉徴収

 外国からの業務を請け負っているラオス人労働者を含み、ラオス人民民主共和国のなかで雇用されるすべての労働者は、所得税法に従い所得税を支払わなければならない。使用者もしくは監督機関は、労働者の賃金・給与から所得税を精励に源泉徴収し、国庫に納入しなければならない。

 ラオス人民民主共和国のなかの様々な事業所で就業する外国人労働者は、特別な規定に従い政府に所得税を納入しなければならない。

 

48条 社会保障基金

 社会・経済の諸部門におけるすべての事業者は、社会保障制度に基づき、労働者の生活水準を保証するために、「社会保障基金」の創設や「補償基金」への拠出をおこなわなければならない。

 労働者ならびに使用者は、政府によって採択された規則に従い社会保障基金に拠出金を支払わなければならない。

 使用者が、補償基金および社会保障基金に対し拠出金を支払うところでは、これらの基金を通じて、労働者に対する社会保障を提供する責を負う。

 

 

【第10章】 労働者保護

49条 安全の保障および労働条件

 使用者は、その監督のもと、化学品の使用を含み、職場、機械、材料ならびに種々の生産段階が安全なもので労働者の健康を害することのないよう保証する責を負う。

 使用者は、労働と健康に対する保護についての就業規則を作成する責任を有する。同規則の施行にあたり、使用者は、労働組合もしくは労働者代表との協議の上、機械の使用における安全面の配慮、様々な安全機器の設置を通じて労働者に対する保護を保障する義務がある。使用者は同規則の周知に努め、すべての労働者が読むことができるようわかりやすい場所に掲示されなければならない。安全と衛生を保障するために必要な手段を、以下に示す。

(1)   適切な電気照明や自然採光に対する配慮、過度の騒音の防止、健康を害する塵や香気を排出するための換気。

(2)   飲料水、洗面所、シャワー室、便所、食堂、更衣室の設置。

(3)   毒物の漏出の危険のない安全な保管室。

(4)   生産工程に従事する労働者に必要な個人的防災機器および作業着の無償供与。

(5)   防災機器の設置、危険な機械を囲む防御壁の設置、電気ショックから身を守るための危機や火災警報器の設置等。

 

 使用者は、安全に関する研修を企画し、労働者が自らの安全と健康を守るための規則を十分に周知できるよう、より一層の努力を払わなければならない。労働者の安全と健康を守るすべての手段は、労働者に無償で供与されなければならない。

 労働者は、自らの安全と健康を守るだけでなく同僚の安全と健康を守ることができるよう細心の注意を精励に払わなければならない。労働者は、自らの安全と健康を守るために企画された諸方策に実施のあたり、使用者と協力し合わなければならない。

 使用者は、労働者の健康に有害な麻薬等の物資を使用してはならない。

 

50条 労働者に対する医療検診および健康管理

 事業所は、就業希望者に対し職業病を患ってないことの証明として健康診断書の提出を請求できる。就職希望者が職業病にかかっている場合、使用者は雇用申請を拒否できる。

 使用者は、特に本法第25条の意味するところの重労働や健康を害する業務に従事する労働者に対し、少なくとも年に1度健康診断を受けるよう要請できる。労働者が特定の職場において職業病にかかったことが確認された場合、使用者は規則に従って治療を施す責任を有する。伝染性の職業病にかかった労働者は、健康が回復するまで加療のための休暇をとり治療に専念できる資格が認められる。回復の折にはもとの地位に復帰できる。職業病の診断および治療にかかる一切の経費は、使用者負担とする。

 すべての事業所は救急箱の設置しなければならない。50歳以上の労働者をかかえる事業所は、常時医師を待機させ、労働者の健康管理を行わなければならない。

 

 

【第11章】 業務上の傷害

51条 業務上の傷害

 業務上の傷害とは、以下のように労働者を負傷せしめたり、不具や身障者にせしめ、場合によっては死に至らしめるような事故を意味する。

(1)   使用者もしくは監督者の指示により、職場もしくはその他の場所において業務上の義務を遂行中。

(2)   事業所の責任のもとにある娯楽施設や食堂、その他の場所。

 

 あらゆる形態の職業病も、業務上の傷害とみなされる。

 労働監督機関は、保険監督機関や労働組合と協力し、職業病の種類を規定しなければならない。

 使用者や代表者の指示なく、個人的な目的のために行った業務の中で発生した障害は、業務上の傷害としてみなされない。

 

52条 業務上の傷害を受けた者に対する支援

 使用者は、業務上の傷害を受けた者に対し、緊急かつ適切な支援を与えなければならない。さらに以下のように医療診断書により立証される実際の治療費は、使用者もしくは社会保障基金からの負担とする。

(1)   治療費および手術費を含む病院内外のおける治療費用

(2)   入院費やその他の治療施設における費用

(3)   医者や補助意思および専門開業医によって行われた診療の費用。伝統療法のかかる治療費を含む。

 

 業務上の傷害の結果として労働者が死亡した場合、使用者は、少なくとも個人の6か月分の賃金・給与に相当する弔慰金を支払わなければならない。さらに加えて個人の遺族は、一定額の給付金を受ける権利を有する。

 労働者が、使用者の指示で他の場所で勤務中に死亡した場合、遺族への遺体の輸送費は、使用者の負担とする。

 

53条 業務上の傷病に対する補償

 業務上の傷病に対する補償金を、以下のように定める。

 職業上の傷害を受けたものは、医師による加療およびリハビリテイション期間中を通じて、最高6か月まで通常の賃金・給与を受け取る資格を有する6か月を超えて18か月までの場合は、賃金・給与の50パーセントのみを受け取る資格を有する。18ヶ月を超える場合は、社会保障基金のもとで給付金が支給される。

 労働者が業務上の傷病の結果、身体の一部を切断したり、不具になった場合、あるいはその結果として死亡した場合、使用者は被害者もしくはその遺族に対し、規定に従い補償金を支払わなければならない。

 使用者が、本法第48条に基づき補償基金もしくは社会保障基金を積み立てている場合や、保険会社に対し労働者のための保険に加入している場合、上記の給付金は、補償基金や保険会社の責任のもと規定に従い支払われなければならない。

 

 

【第12章】 年金・補償制度

 

54条 退職年金

 社会・経済部門において操業する事務所で雇用されている労働者は、以下の規定が満たされているならば年金を受領する権利を有する。

(1)   男子60歳、女子55歳の年齢に達した者。

(2)   勤続年数25年以上のもので、退職以前に5年以上にわたり継続して危険な業務に就業した労働者については、年金受領資格としての勤続年数を20年とし、男子55歳、女子50歳とする。

(3)   25年にわたり社会保障拠出金を支払ったもの。ただし、退職以前に5年以上にわたり継続して危険な職種に雇用された労働者については、拠出金支払い期間を20年に短縮する。

 

 上記で規定された要件を満たさない労働者は、一括式により補償金を受け取る。年金制度や一括補償制度の確立は、労働監督機関によって考案され、提案される。

 

【第13章】 労働争議調整

 

55条 労働争議の態様

 労働争議を、以下の2つ態様に分類する。

(1)   労働法、労働規定、雇用契約、事業所就業規則もしくはその他の規則の実施に関する争議。「権利に関する争議」あるいは法的争議と呼ばれるものである。

(2)   新しい恩典や権利を獲得するために使用者に請求することから生ずる争議。「利害に関する争議」と呼ばれる。

 

56条 権利に関する労働争議の調整

 労働SH、労働組合もしくは労働者代表の主張により、使用者が、労働法、労働規定、雇用契約、事業所就業規則もしくはその他の規則に遵守していないと考えられる場合、使用者もしくはその代理者は、直ちにその主張者との間で苦情の解決の方法を模索しなければならない。この交渉の間、当該労働者は労働組合もしくは労働者代表から支援を受けることができる。

 

57条 権利に関する労働争議の調整に対する労働監督機関の責任

 使用者に対する苦情の申し入れ後15日以内において、いずれの調整にも至らないかもしくは調整案が実施段階に移されない場合、労働者は調停のために労働監督機関に争議を付託する権利を有する。

 労働監督機関が15日以内に争議をまったく解決できないかもしくはその一部のみの解決に宗旨した場合、然るべき考察と判断を仰ぐべく人民裁判所に提訴できる。

 

58条 利害に関する労働争議の調整

 権利に対する労働争議の調整のために、本法第56条および第57条において決められた手続きは、利害に対する労働争議の調整に対しても同様に適用される。

 労働監督機関が10日以内に利害のための争議の調整に失敗した場合、その訴訟は、最終決定に関し「労働調停委員会」に付託される。

 この労働調停委員会は、労働監督機関、労働組合、使用者およびその他の当事者より構成される。

 

59条 争議中の就業停止の禁止

 労働者、使用者もしくは両当事者の代表は、以下の場合、就業停止を宣言してはならない。

(1)   労働法、労働規定、雇用契約、事業所就業規則に関する争議の期間中。

(2)   両当事者が調整のための交渉に同意した場合。

(3)   上記の第58条にしたがって特別委員会が設立される以前の段階で労働者と使用者の未解決問題の調整過程において。

(4)   人民裁判所に提訴される前の労働争議調整期間中。

 

 労働者の就業停止が、直接的もしくは間接的に、あるいは有形、無形に労働者、使用者もしくは両当事者の代表者を煽動し、労働者および使用者に損害を与えしめるとともに控除良俗を乱す場合、法にしたがいこれを処罰する。

 

 

【第14章】 罰 則

 

60条 罰 則

 本法の条項に違反した者もしくは事業所は、法律の定めるところにより処罰される。

 

 

【第15章】 終 則

61条 労働法の改正

 19901129日施行第10/90「労働法」は失効し、改正労働法がこれに代わる・

 本法は、制定後60日をおいて施行される。

 

62条 労働法の履行

 労働監督機関は、本法の適用において、その履行、普及、指導、査閲、監督に関し、諸規則を発行する義務と責任を負う。


 

(注1) 翻訳者注。英語版労働法にはないが、ラオス語版労働法では、「専門知識の向上を図る」の語句が記されているため挿入した。

(注 2) 翻訳者注。英語では“specific”となっているが、ラオス語版労働法では「量の決められた」と記されている。

 

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